いやいやいやなんのなんのこの作品には知恵と才気が横溢してあの二階堂のように躍動しております。
なんてったって話らしい話なんてないのに40分ものを10巻あれよあれよと見せ切る、いや、魅せきってしまうんですから。
今回改めて「緑山高校甲子園編」を見て考え深いものがありました。まずはアニメと言うものが持つ表現の力強さ伸びやかさです。とらわれない自由さといっても良いかもしれません。今自分達はこれを見失ってはいないかという思いです。ちょっとアニメを難しく考えすぎて、作り手自身が自分の手足を縛るだけでなく、見る側の想像力まで殺いでしまっていないかと言う怖れですか……。
ま、なにはともあれこの緑山はつまらないお説教は皆無だし、ちんたらした薀蓄もありません。
飲める人ならビール片手に、甘党なら花豆に渋茶なんか飲みながら、「バッカーー!!」とか言いながら楽しむのが良いんじゃないでしょうか。
■プロフィール
高橋良輔 たかはしりょうすけ
1943年1月11日 東京都出身
アニメーション監督
'64年、株式会社虫プロダクションに入社。制作進行を経て演出家に「W3(ワンダースリー)」「どろろ」「悟空の大冒険」「リボンの騎士」等を担当後退社、フリー演出家としてサンライズ創業初期に'73年に「ゼロテスター」を監督。
創業集団「有限会社スタジオあかばんてん」を主宰。「まんが日本昔ばなし」「まんが偉人物語」「まんが世界昔ばなし」等に参加する。主な監督作品に「サイボーグ009」「太陽の牙ダグラム」「装甲騎兵ボトムズ」「機甲界ガリアン」「蒼き流星SPTレイズナー」「沈黙の艦隊」「ガサラギ」「モリゾーとキッコロ」「火の鳥」等がある。
最新作は「FLAG」「幕末機関説 いろはにほへと」。 |