(1)第2シリーズ、中学生から吾郎を演じられてきましたが、ついに完結ということで感想をお聞かせ下さい。

原作ファンの1人として、長きに渡って吾郎を演じさせていただいて、とても光栄に思っています。吾郎は自分と似ているなと思うところがいっぱいあって共感できるところがいっぱいありました。演じていてシンクロしやすかったが故に、普通、大好きな作品をやらせてもらっていたら完結する時って寂しいものなんですけれども、はじめて主人公(=吾郎)に対して「休ませてやりたい」と思いました。いつも満身創痍で、自分の進むべき道を見つけては、遠回りとわかっていても進んでいく吾郎を見ていると、原作も終わって、アニメも終わって、寂しさはあったんですけれども、はじめて「ゆっくり休んで」と言ってあげたくなりました。そんな身近な役だったし、壮絶な作品だったなと思います。声優という職業をやらせてもらっている中で、いろんな作品に関わらせていただきましたが、終わってホッとした作品は初めてですね。(吾郎は)家族もできて、幸せに生きて行くのかなって。不思議な感覚です。それくらいリアリティがあった作品でした。


(2)今までのシリーズを振り返ってみて思い出に残っている曲はありますか?

全部の曲にそれぞれ思い出がありますが、僕自身が第2シリーズから参加しているのでロードオブメジャーの『さらば碧き面影』は、自分が出演するようになって初めて観た時のオープニングだったので、すごく印象に残っています。ロードオブメジャー自体もデビューして間もない頃、(『メジャー』とは別に)自分がやっている番組に何回かゲストに来てもらったことがあって、自分が『メジャー』に出演する前から面識があったという嬉しさもありました。ルーズドッグスも個人的に仲良くさせてもらっていたバンドでした。共通の知り合いがいっぱいいたり、一緒に酒を飲みに行ったり、番組に来てもらったり、そんな繋がりもあって思い出深いですね。大友康平さんがオープニングを歌った時はビックリしました。熱かったですね。その時のエンディングがルーズドッグスと大黒摩季さんと歌わせてもらった『雨のち虹色』で、初めて吾郎として歌わせてもらった曲でした。スチャダラパーと木村カエラの『Hey! Hey! Alright』は、それまでロックで激しいイメージのオープニングだったのに、ちょっとノリが変わったのが印象的でしたね。それぞれ言い出したらきりがないですね。1つに絞るのは難しいです。 エンディングは女性ボーカルの曲が多くて、ホッとして終わる感じがして良かったなと思います。


(3)茂野吾郎として名曲『心絵』を歌われました。感想をお聞かせ下さい。

吾郎は野球しかやっていなくて、カラオケなんかも行かないだろうし、歌もあんまり知らないんじゃないかと思うので、歌は歌わない人なんじゃないかというイメージがありました。前に『雨のち虹色』を歌わせてもらった時も、どういう風に歌ったらいいかなと悩みました。その時はルーズドッグスもいたし、大黒摩季さんもいたし、1人で歌っている歌ではなかったので、まだ良かったんですけれども、今回は1人だけだっていうので、とても難しかったです。キャラクターソングでも、そのキャラクターが歌っているイメージがあれば歌えるんですけれど、ものすごく親近感があって「吾郎ってこうだよな」っていうイメージが強過ぎて、吾郎として歌おうとすると歌がメタメタになったり、歌を成立させようとすると吾郎ではなくなったり、すごく難しかったです。歌う直前に「夢の舞台へかけあがれ!」というセリフを叫んで“吾郎チューニング”をしながら歌いました。第6シリーズの最終回のエンディングが、まさかロードオブメジャーの『心絵』だとは思っていなかったので、なんて素晴らしい演出なんだと、すごく感動しました。『心絵』ではじまり、『心絵』で終わるという『メジャー』とは切っても切れない曲を歌わせてもらえるなんて、恐れ多くもあり、光栄でもあります。


(4)『心絵』はロードオブメジャー、TRIPLANEと歌われてきましたが、茂野吾郎が歌う『心絵』はココが違う!というところはありますか?

レコーディング序盤の方は、いろいろ考えながら歌っていたんですけれども、終盤で最後のサビを歌っている時は、いろいろな思いが脳裏をよぎりましたね。『心絵』の歌詞と吾郎としての気持ちがどんどんシンクロしてきて、本当に吾郎として歌えたような気がしました。気持ちがグーッと入ってきて、今までのシリーズを振り返って、いろんなことを思い出しながら歌いました。そんなところが違いとして出ていたら良いですね。


(5)『心絵』の他に「吾郎が歌ったら良いかも!」と思う曲はありますか?

歌い終わってみたら吾郎がカラオケで歌っている姿が想像できるようになってきました。『しょぼい顔すんなよベイベー』みたいな雰囲気の曲は歌わせてみたいですね。楽しい歌は良いかなと。


(6)「あの人物にこの曲を歌って欲しい!」という曲がありましたら教えて下さい。

寿也は絶対に歌ってそうですね。MP3プレイヤーで移動の時とかにマメに聴いていて歌をよく知っていそう。『雨のち虹色』なんか似合うかもしれませんね。眉村は絶対に歌を歌わなそうだから、眉村に絶対に似合わなそうな『しょぼい顔すんなよベイベー』なんかを歌わせたいかな。あとは、オールジャパンで『心絵』とか良いかも。全員で歌ったら盛り上がりそう。


(7)最後にこのCDを楽しみにしている方にメッセージを下さい。

音楽って、その時々の思い出をフィードバックしてくれるものだと思います。『メジャー』は長いシリーズの中で数々の名曲が作品を盛り上げてくれているので、あらためてその曲たちを聴くと、みなさんの中の『メジャー』の思い出が甦ってくると思います。僕自身も『心絵』1曲を歌っただけで、いろいろなことを思い出しました。そして「また原作を読み返してみようかな」とか「DVD観てみようかな」という気持ちにもなってくると思います。みなさんの思い出と共に楽しんでいただければ嬉しいです。





(c)満田拓也・小学館/NHK・NEP・ShoPro

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