Q:ファン・ミーティングを明日に控えて、今の心境はいかがですか?
A:僕は何をするにも緊張するタイプですが、今回もまさにそうですね。さらにまた、明日のファンミは初挑戦の試みを準備してきたんですよ。一人芝居みたいな内容なのですが、上手くできればいいなあと、今からとてもドキドキしています。
Q:日本でのファンミは約1年ぶりとなりますが、日本の印象はどうですか?
A:日本で活動を始めてからまだ5、6年ぐらいしか経ってないですが、ファンの皆さんが本当にいつも温かく迎えてくださって……、韓国でもあまり経験できないほどの大きな愛情を感じています。だから、そんなファンの方々にどうやって恩返ししたらいいか、来日するたびに強く考えるようになりますね。
Q:「風の絵師」のDVDがまもなくリリースされます。パク・シニャンさんにとっては初の時代劇ドラマでもありましたが、今振り返ってみてどんな作品として心に残っていますか?
A:撮影が終わって3カ月が経ちましたが、実はその間、あまりこの作品について考えることはなかったんです。おそらく他の役者さんも同じだと思いますが、しばらくはその作品のことを忘れようとするんですね。でも、今日インタビューを受けていて(この日は取材が続いていました)、パッと気付いたことがありました。それは、「風の絵師」を通して、後輩を愛する気持ちが本当に理解できるようになった、ということです。最近、僕が奨学生の支援を始めたのも、その影響が強いと思います。
Q:パク・シニャンさん演じる絵師キム・ホンドは、豪快ながら絵を描くときは繊細な一面がのぞく魅力的なキャラクターだと思いますが、ご自身が考えるホンドの魅力とは?
A:クールな中に強い情熱を秘めた、すごく勇敢な男だと思います。また劇中で、最高の芸術家というのは、自分が正しいと思ったように行動できる人間だと言っているのですが、どの国、どの時代であっても、これは本当に難しいことですよね。でも、キム・ホンドはそれができてしまう。愛してはならない弟子を愛し、彼女に自分の能力を伝授するかのように絵を教えたのは、どれだけ勇気のいることだったのかと思いますね。
Q:パク・シニャンさんと似ているところはありますか?
A:僕はそんなにカッコよくないので……(笑)。まあ、でもそんなに気まじめなタイプではないですね。自分の気が向くままに行動しようとするところは僕にもあるかな。
Q:日本でもパク・シニャンさんは芸術的関心が高いイメージがありますが、もともと絵に興味はあったんですか?
A:絵は観るのが好きですね。ロシアやニューヨークでは、しょっちゅう絵を観に行ったりしました。絵を描く人々の頭の中を想像しようとするんです。絵だけでなく、ミュージカルや映画もよく観るし、音楽もよく聴くし、そういうことが大好きです。
Q:ロシアには留学されていたんですよね。何か影響を受けたことはありますか?
A:価値観とか、夢とか、おそらく僕の70%はロシアで作られたんじゃないかと思っていますね。何か一つのことを長い間考えて、それに向かって努力していくことの大切さも、愛も友情も信頼も……。物事を理解する様々な角度を知ったというのでしょうか。自分にとって理解しがたいことでも受け入れなければいけないということも学びました。韓国にいるだけでは、なかなか身に付かなかったと思います。
Q:パク・シニャンさんの出演作は他にもいろいろ日本で放送されていますが、どの役が一番気に入っていますか?
A: どれもカッコいいキャラクターだと思いますが(笑)、一つ選ぶとしたら「パリの恋人」のギジュですかね。クールでさばさばしているところがいいなあと思います。
Q:どんな役でもぴたっとハマって、自然体で演じられている印象がありますが、いつもどのように役作りしているのでしょうか?
A:まずは、その役の職業的な特性や社会的な状況などを研究します。でも、もっと重きを置くのは内面的な部分です。本当のところ、この人は何を求めているのか、何を一番愛しているのか。演技で表現するべきことはそこだと思います。
Q:韓国を代表するベテラン俳優として……、
A:僕ですか(笑)?
Q:もちろんです! ご自身の役割はどんなところにあると考えていますか?
A:僕は世界に100人の奨学生を誕生させようと思っています。そのために、僕と志を同じくして、奨学金のプロジェクトに参加してくれる先輩たちを探し続けています。今も1日に2、3人ずつ増えているんですよ。その方々とは定期的に集まって、支援の方法などを話し合ったりしていますね。
Q:そこまでして後輩の育成に力を入れる理由とは?
A:まず、演技を愛しているからです。それから、本当に演技をしたいと願う人々を愛しているからですね。そういう後輩たちを積極的に援助していかないと、これから先、皆さんが楽しめる文化の誕生を期待するのは難しいと思っています。僕も大学生のときにとても苦労したんですが、当時少しでも誰かのサポートがあったら、困ったときに頼れる先輩が1人でも多くいてくれていたら、と考えることがよくあります。だから今の自分にできるのは、後輩たちの心の支えとなる先輩、温かい家族みたいな存在になることだと思っています。
Q;俳優を夢見る人に必要な、ずばり“いい役者”の条件とは何でしょうか?
A:人々の心に感情をプレゼントできる人でしょうかね。喜びや悲しみ、戦慄、幸せや希望、そういう人間のあらゆる感情です。
Q:韓国でも 20代前半で活躍する若手俳優たちがたくさん出てきていますが、何かアドバイスをおくるとしたら?
A:僕が20代前半のころに考えたのは、限りなく努力して、何をするにしても“本物”を作り上げるためにベストを尽くそう、ということでした。これはどんな人にでも当てはまるのではないかと思います。
Q:昨年末は、残念ながら出演料の問題でトラブルに見舞われることもありました。今はそのことについてどう考えていますか?
A:正直、とんでもないことが起きたと呆気にとられています。当時僕と一緒に仕事した人たちと全く関連のない人々が、2年も前のことを、根拠もなくなぜこんなに騒ぎ立てるのか理解に苦しみます。何か別の目的があってのことなのかと疑ってしまいますね(笑)。
Q:こんな思いをするのなら俳優を辞めたいなあ、と考えたりしませんでしたか?
A:それは本気で考えました(笑)。だから断食してみたんです。今、月曜日の朝食と昼食は食べていません。食事を抜いてでもこの仕事をしていきたいか、それぐらいこの仕事が好きか、と自問自答してみたかったんですよ。しばらく考え込んでいましたが、やはり答えは “イエス”ですね。
Q:では最後に、今後の予定を教えてください。
A:9月から、ニューヨーク工科大学で演劇クラスの教壇に立ちます。また、他のアメリカの大学と共同で、学生のための映画フェスティバルを作るために準備しています。いつかは世界に誇る演劇学校を立てるのが夢ですね。









